(律 side )
花菜の入籍日が決まり、兄貴とあかねの結婚式の日取りも決まった。
正直、羨ましいと思う。
だって結婚するということは、一生をかけて守りたい女が出来るってことだろう?
結婚はしたいとは思う。
だけど、それは誰でもいいっていうわけじゃない。
俺は奏大くんや兄貴のように、心底好きな相手に出逢えないんじゃないかって思うんだ。
だから俺にとって結婚は無縁だし、一生あり得ない出来事だと思っている。
だけど、最近奏大くんや花菜のことを目の当たりにして、俺にも唯一の存在が出来るんじゃないかって、錯覚してしまう時があるんだ。
そんな相手、見つかるはずなんて無いのにな…。
でももし、この世の中でただ1人、俺にも大切な人が出来たとしたら、俺は奏大くんや兄貴のようにその人を愛することが出来るだろうか。
(律 side end )