次の日。
律は学校に行くと、直ぐに隼大を呼び出し、屋上へと向かった。
「で?話って何だよ」
「なぁ、お前にとって特別って何だと思う?」
「……また唐突だな。何かあったのか?」
「親父が……柚は俺にとって特別な存在なんだなって言うんだ」
「へぇー…。で?お前は何て答えたんだよ」
「……俺は答えられなかった」
「それで?」
「そもそも、親父が何を思って特別だと言ったのかが分からないんだ。なぁ、特別って何だ?」
「……お前、人のことには敏感なのに、自分のことになると、ニブチンなのな…。特別っていうのは、他の人とは違う存在ってことだろう?」
「他の人とは違う?」
律は本気で分からないといったような表情で、隼大のことを見た。
そんな律に、隼大は苦笑いしながらも、律の質問に答えた。