そして次の日。
律はあかねといつも通り、登校していた。




いつもと変わらない日常。
そう思っていたが、学校に着くといつもとは違う雰囲気が漂っていた。









「……どうしたのかしら?あの人だかり…」

「さぁ?」








今、登校してきたばかりの律とあかねは全くと言って良い程、状況が掴めないでいた。
すると、人だかりから抜け出してきた女の子達が会話している声が聞こえてきたのだった。









「1年生で虐めだなんて」

「しかも、逆恨みだなんて…。本当にありえない」

「加害者の子達、停学処分らしいわよ。しかも、処分は下されてないけど、他にも何人かクラスメイトがグルになってたって聞いたわよ?」

「うわ~…それ最悪…。でも、何であんたそんなに詳しいの?」

「あぁ…それは、昨日部活の先輩からメールが回ってきたのよ。この子達には気をつけなさいって、掲示板に貼られてた写真付きで」

「何それ…」

「隣のクラスだったし、ほら、私隼大先輩と同じ部活じゃない?そのグループの子達の中に、隼大先輩のことを狙っていた子がいたみたいで…。私達も逆恨みされたら大変だからって、昨日部長から一斉メールが来たの」

「うわ~…流石、写真部」

「あの記事も多分部長だと思うんだ。部長って虐めとかそういうことに敏感だし、許せないらしいから」








そう言いながら、女の子達は律やあかねの前を通り過ぎていった。