苺綺の瞳が、鋭く光る。
ゾクッ、と背筋が凍った。
「そしたらね、『ごめん』って言われちゃった。…振られちゃったんだ」
「そうなんだ……」
「木本くん続けて言ったんだ。『俺、新川のこと好きなんだ』って」
私を睨む苺綺が、今までに見たことないくらい恐い表情で言う。
「ねぇ、茜。もしかしてさっきまで、告白されてた?木本くんに」
怒っているような憎んでいるような、そんな表情の苺綺。
私は「うん」と言う代わりに「……ごめん」と呟く。
苺綺を傷つけるつもりはなかった。
だって、まさか思わないじゃん。
私のことが好きな人がいるなんて。
「……ひどいよ茜」
苺綺の目には、涙が溜まっている。
そんな苺綺を見て、ズキンと胸が痛んだ。