教室に戻ると、苺綺が私に近寄って「おはよう」と挨拶してくれた。




「お、おはよ…」




 気まずい。…それに、苦しい。


 もし苺綺が、私が木本朱里に告られたことを知ったら……少なからず傷つくと思う。



 そう考えると、胸が苦しかった。


 少しの罪悪感が、胸を締め付ける。





「ねぇ、花瓶持ってどこ行ってたの?」



「す、水道だよ。水換えに」



「それにしては遅かったね。あたしが来て10分も経ってるよ」




 なんだろう、今日の苺綺……いつもと違う。


 にこにこ笑っているのに、目は笑っていない。




「あのね、茜。……あたし昨日、皆が先に帰ってから、木本くんと一緒に帰ったんだ。木本くん優しくてね、あたしを家まで送ってくれたの」


「そ、そっか。よかったね」




「木本くんと二人きりで絶好のチャンスと思ったから、あたし、勇気振り絞って『好きです』って言ったんだ」





 え……?


 苺綺、告白したの?