「じゃあ帰ろっか」



「そうだね」





 委員会も終わったことだし、と苺綺が呟きながらカバンを持つ。



 教室を出て、生徒玄関へ向かっている途中気づく。




「やばっ。ポーチ机の中に入れたまんまだ。取ってくるっ」



「じゃああたしたちは、生徒玄関で待ってるから」



「わかったー」




 夏海の言葉に返事をしてから、急いで教室へ戻る。


 机の中には、忘れてたポーチが。



 昼休みに使って、そのまま入れてたんだった。


 忘れてたよ…。うっかりうっかり。




 ポーチをカバンの中にいれ、今度こそ忘れ物がないことを確認してから教室を出ようとした…瞬間だった。





 ――ガラッ




 いきなり開いた扉にビクッとする。


 教室の扉を開けたのは………





「あれ?笹道は?」