「うん。そうだよ」



「なになに!?夏海、いい案浮かんだの??」



 おしゃべり大好き未羽が、身を乗り出して夏海に聞く。




「整美委員会って今日何するの?」


「確か…ポスター書きとか言ってたなぁ」




 夏海が苺綺に聞いたあと、苺綺が「多分」と付け足して答える。


 夏海はその答えを聞いて、ニヤリと笑った。



 この顔は、何かいい考えが浮かんだサイン。





「じゃあ、苺綺は木本くんと一緒にポスター書きしなよ」


「えぇ!?そっそんな…。二人で?」


「そっ!私去年整美委員だったからわかるんだけど、ポスター書くのは、グループでも一人でもいいんだ。だから、木本くん誘ってさぁ」


「……でもぉ」




 内気な性格の苺綺は、頬をほんのりピンク色に染めて悩む。


 そんな苺綺の背中をバシッと叩いたのは、緋衣。




「一気に近づくチャンスだよ?大丈夫っ。苺綺可愛いから」



 パチッとウインクする緋衣の栗色の髪のボブが、ゆらりと揺れる。