「茜が友情を第一に考えるのは、中学二年の時に起こったあることがきっかけなんだ」




 中学時代のことを思い浮かべながら、俺は話し始めた。


 俺は、何もしてあげれなかった。

 助けてやることも。守ることも。




 噂で聞いたときにはもう遅くて


 茜は一人だった。





「茜には特に仲のいい友達が4人いたんだ―――」




 七倉は黙って俺の話を聞いてくれていた。


 俺は、瞼を閉じて、過去を振り返っていた。