「矢崎くんは……本気で茜のこと好きなんだと思う。
 観覧車のあのキスは、茜も受け入れてたからわからないけど……早く矢崎くんのことを好きになりたくて、受け入れたんじゃないかな」




 あくまで予想の上で、話してくれてるのはわかってる。


 だけど、七倉の表情は「事実に近い予想」と思っているようで。




 さらに、戸惑う気持ちが溢れる。

 関係が、崩れ……ごちゃごちゃになる。




 今、俺たち四人の関係が、わからない。




 誰が好きで、誰と付き合い、誰と友達なのか。


 俺が思っていた関係と、七倉が話した真実は、全く違うものだった。





「本当は言うつもりはなかった。けど、嘘つくのは…隠し事するのは辛いから。
 ……眞田くんの隣に立ったとき、恥ずかしくない自分でいたいから」




 七倉の想いが、痛いほど伝わってくる。


 だけど――……




 頭の中は、茜のことでいっぱいだった。




 …これは、神様が与えてくれた最後のチャンスなんじゃないのだろうか。


 要……ごめん。





 俺やっぱり、諦めらんねぇよ。

 そんな事実聞かされたら、…立ち止まっていた足を動かしたくなっちまった。


 要から茜を奪いたいと、強く思ってしまった。