遥陽への恋心と、矢崎への恋心。



 大きさも形も色も関係ない。


 ただ好きって気持ちがある。…それだけだ。




 なら、私の中にある二つの恋心の違いは何?




 私の心にはひとつしか“恋愛感情”はない。


 それならどっちが、本当の恋心?






「俺は、お前が幸せになってくれればそれでいいんだよ」






 矢崎の優しくてあったかい言葉に、私は涙を流してた。


 ああ――そうか。




 答えは簡単だった。



 遥陽への想いと矢崎への想いは、まるで違うじゃないか。





「矢崎……ありがとう」





 なんだ。


 私はずっと、難しく考えすぎてたんだ。