私は走って走って走って、体力の限界が近づき、近くの公園で息を整えていた。
「ごめん……ごめん、矢崎」
何度も何度も、呟く私。
誰もいないその公園には、私の声がよく響いていた。
揺れてばかりだ、私は。
最低だ……。
矢崎のことが好き。
遥陽のことが好き。
大きさなんて関係ないんだ、結局。
どっちも好き。
そんなの許されない。…許されるわけがない。
幼い子が「あの子も好きだけどその子も好き。だから二人と結婚するの」なんて言ってるのとは、わけが違う。
私は、そんな幼い子の恋愛をしてるんじゃない。
気持ちを隠したかった。矢崎だけを好きになりたかった。
ただそれだけなのに。