「陽!!早く渡せ!!」


そう沙紀がいいながら、亮介に声掛けをする。


「何してた?ご飯食べてた?」


「寝てたー」


「まぢ?」「うん」


どうでもいい会話を繰り返し、


それでも私が隠れてるから、沙紀は


「ちょっと待ってよ!」


そういって私に


「沙紀が渡す?」


そういった。


「―…ぅん―…」


そう言った。その日、亮介の顔を見ることはできなかった。


緊張しすぎてたんだ。