日にちが経つのは早いもので、期末テストが終わり後数日で夏休みに入る。


夏というだけあって、朝からクーラーのかかった部屋で朝食を取る私はお祖父ちゃんから言わせたら、だらけとる!だそうだ。


食卓の椅子に座り、バターをたっぷり塗ったトーストを頬張る。



うん。カリッとした食感にジュワーと染み渡るバターが絶妙で美味しい!



そう思いながら食べ続けていると、目の前で私同様にトーストを頬張る海が口を開いた。



「そういえばさ、昨日テスト終わりにお祖父ちゃん家に寄ったんだけどさ」


「あっ、そうなんだ!元気だった?」



最近行ってなかったな。


この家から歩いて5分の所にあるんだけど、なかなか忙しいと足が運ばない。



「元気も元気。今、勉強中だからって言われちゃったよ」



そう答えながら海はテーブルに頬杖をついて、呆れ顔で溜め息を吐く。



まっ、凄い元気って事だ。


それにしても、


「お祖父ちゃんが勉強?」


「そうだよー。ゲートボールの審判の勉強だってさ」


「そんなの勉強が必要なの?」


「必要なんだって。何でも資格みたいのがあるんだって」


「ふーん。相変わらず元気だね。お祖父ちゃんは」



ゲートボールの審判の資格っていうのは今一よく分からないが、頭には元気に笑うお祖父ちゃんの顔が過る。


私が覚えている所からだけでも、お祖父ちゃんは常に元気で何かに取り組んでいるという記憶しかない。


ほんと、めちゃくちゃ元気なお祖父ちゃんなんだ。