教室で自分の机に突っ伏して盛大な溜め息を漏らす。


夏休みが終わって、今日から学校という日は皆やる気が出ないものだが、私はきっと皆以上にやる気も元気もない。



「泉、腐ってるわね」


「知っとります」



突っ伏していた顔を少し上げると、私の前の席の椅子に今日も堂々と座っているはるるんの呆れた顔が見える。


はぁ…っと溜め息を吐いた後に首を傾げるはるるん。



「夏休みに梶木と何かあった?」


「何かっていうか……」



大有りだ。


梶木君に好きだと告白した後に、梶木君が聞きたくなかった秘密を口にした。



「ああ、ふられた?」



はるるんよ。そんなに簡単に言わんでも……。


胸にザクサク刺さりますよ。



「ふられた……。まあ、…ふられたのかと思われます」


「曖昧」



私の答えに不満そうに唇を尖らせてそう言うはるるんは、どんな答えを期待していたのだろうか。



「いやー、私の告白の仕方も変だったから、梶木君の答えも聞いてないっていうか……」



ハッキリと森山さんの気持ちには応えられない…みたいな事は言われてはいない。


けど、そういう返事を言われる様な感じでも無かった訳で。



「じゃあ、ふられてないじゃない!」



目を丸くしてそうはるるんが言ってくれるのも有り難いのだけど。



「いや、うーん。でも、……嫌いって言われたし」



言われちゃったし。


森山さんなんて嫌いって言われちゃったんだよ。