そう思って宮野くんのブレザーの袖をぎゅっと握る。


それでしっかり顔を見て


「しょ……翔くん」


消え入りそうなくらいの声で呼べば

宮野くんは顔を真っ赤にした。


「お前……それ、無し

不意打ちとかズリィって」


宮野くんは顔を隠してしまったけど

私は名前を呼べたことが嬉しかった。


「あのな、言うなら言えよ

ダッセェだろ顔赤くなったら」


「だって、名前呼ぶ時に呼ぶって言わないもん」


それに、ダサくなんてないし。


「そりゃ、そうだけど……

せめてそれやめろって」


それ……?