「じゃじゃーん、見て見て宮野くん

これ、当たったの一緒に行かない?」


……まじすか、華さん。


別れの、危機を越え無事仲直りした俺たちは

そりゃあもちろん幸せなわけで

なんの不満もないわけだ。


……と、言いたいところだけれど

不満はある。


そう、なぜなら

華が行きたいと見せてきたのは

映画のチケットとか遊園地のチケットとかではなく


温泉旅行のチケットだったからだ。


「それ、本気で言ってる?」

「当たり前だよ~

せっかく当たったのに行かないなんてもったいないじゃん」