ウソ……。

気付いてなかったわけじゃないよね?


じゃあ何であんな事。

あんなに冷たい目を向けられた事は今まで一度もなかったのに。


そうだ、拒んだりしたからだ……。


カップルなのにキスを拒むなんて

してはいけない事だったのかもしれない。


どうしよう。

そしたら謝らなきゃ……。


遠くなってしまった彼の背中を見つめ

呼びとめようとしたのに


とっさに、冷たい彼の表情が浮かんで

それをすることは出来なかった。