「本で切ったっぽい」

そう言って手から出た血をティッシュで拭い

そのまま教室を出ようとした。


「ダメだよ、功星!

ちゃんと手当しないと」


周りのことにはしっかりしてるのに

自分の事は意外とずぼらなのかな?


帰ろうとする功星を慌てて引っ張り、

ポケットから出したバンソ―コ―指に貼り付けた。


「はい、これで大丈夫」

私が笑ってみせると、功星はその様子をぼけっと見ていた。


「ん?どうかしたの?」


「あ、いや何でもない

ありがとう」


我に帰った功星は、すぐに書類を持って教室を出る。