慌ててそっちを向くと


「隙あり」


パクリー!

宮野くんは私のクレープをそのまま食べた。


「あ……っ」

かじられたクレープを見つめる。


すると、


「よそ見してると食っちまうぞ?」


ドキ、ドキ、ドキ


口角を上げて言う宮野くんに心臓が付いて行かなかった。


ダメだ、今日の宮野くんは直視出来ない。


「それとさ、」


??


「それ、ワザとやってる?」

指摘されたのは何だかさっぱり分からなくて首をかしげると


「じゃ、遠慮なく食っちゃうけど?」

なんて言って私の口元に手を伸ばした。