「宮野くんっ、美味しいね!」

「泣いた後は更にな」

彼はくすっと笑って言う。


「もう泣かないように頑張ります」


恥ずかしくなってそうやって言ったら

宮野くんは頭をポンと叩いて言った。


「いいよ、いつでも泣けよ

なぐさめてやるのも彼氏の役目だろ?」


ドキン……。

いつだって彼はカッコイイ。

言うことも動作も全てそうだ。


カッコよ過ぎて、ずっと見ている事が出来なかった私は

赤くなる顔を冷やすようにそっぽを向いた。


「わ……」

するとクレープを持つ手が宮野くんの方に引き寄せられる。