「俺さ、停学中けっこう色んな事考えられたかもしれねぇ」
彼は小さくつぶやいた。
色んな事?それはどういう事だろう?
「お前が毎日プリントやらノートやら持ってきてくれんじゃん?
それでつまんなくないようにって
色んな話しをようと頑張ってる所見たらさ
本当、離せねぇなって」
思わず開いてしまった目で、宮野くんを見ると
とても優しい顔をしていたから私は恥ずかしくなって
目を逸らした。
すると、彼は上を向いたまま言った。
「離す気はねぇけど、もし離れたいって言われた時
俺は離してやれんのかなとか。
あ、ネガティブな事ばっかじゃねぇぞ?
これから先も大事にしていきてぇなとか」