蒼が診察室をでてから10分。
喉の渇きが尋常じゃない。
早く戻ってきてほしい、なんてワガママ、いけないなんてわかってるんだけど。
そのとき、ドアが開く。
顔を覗かせたのは、高島先生。
「………ごめんね、遅くなった。
蒼先生、今2人の患者さんの急変処置してるから。
夏野先生が手伝ってるからすぐくると思うよ。」
「………あ、はい………………………………」
「具合悪いとかある?」
「……いや、別に……」
「……正直に」
「………………………………頭が少し痛い…のと…
なんかゼェゼェしてる…かも…?」
「だよね。よく言えました。」
「……聴診………………………いやですよ…?ゲホ」
「……わかったよ、しない。」