「何を見た?」
鋭い声。
耳元で言われいてるから尚、強さを増す。
「あの、その、相沢くんが……上半身裸で、電話してて……」
あえて、死ねと言っていたのをはずず。
これほどまでに相沢くんが怖いと思ったことはない。
「へぇー」
沈黙がさらに恐怖を煽りたてる。
「まぁ、それだけあれば有罪だよね」
「有罪!?」
「そっ!」
フッと、耳に息を掛けられる。
「やっ」
逃れようと身をよじったが腰回りをガッツリ掴む腕は離れない。
相沢くんの支配下であるにも関わらず、それでも暴れる。
私の身体がグラリと揺れ、どこかに手を付いた。
紙と紙が擦れるような音……
「キャーー…っ!」
「うっせーな」
手を口に当てて私の叫びを止める。
ボンッキュッボンのお姉さんがたくさん載ってる……通称、エロ本が……
「俺も男なんでね」
私の思考を読み取ったように答えた。
空いた口が声もなしにパクパクと開閉する。