まじかで見ると本当に、物語から出てきたんじゃないかって言うぐらい王子様ぶり。

背が高く、顔も整っている。

自然な茶髪がすごく綺麗。

 

その上に、運動神経も抜群で、勉強の方も優秀。

尚、礼儀正しく、先生方も稀に見る天才だと感心しているほどだ。

 

だからこそ、周りが黙っちゃいない。

そこで完璧すぎる彼に付いた名が「王子様」

中には琉生様と奉る人たちもいる。

 

まぁ、私と同じクラスなんだけど、話したのは一言二言かな。

 

 

私は相沢くんに案内されて風呂場、トイレ、リビング等々を見て回った。

終点は、私の部屋。

 

「じゃあ、分からないことあったら、なんでも聞いてね」

「あ、ありがとう」

 

そのまま相沢くんは、階段を降りていこうとしたときだった。



「さっきの……聞いた?」

 

さっき?

さっきって何か話したっけ?

 

「ごめんね。変なこと聞いて」

「え、あ、うん……」

 

振り向きざまに笑顔を残して、相沢君はその場に姿を消したのだった。