そういうと、ジャージ姿の琉生が目の前に姿を現した。
基本的に私がお風呂を先に使わせてもらってるから、お風呂上がりの琉生を見ることは珍しい。
琉生は私の座っているベットに腰掛けた。
「今日は、その…悪かったな」
横顔しか見えないけど、あの琉生が謝った。
「いいよ。別に!楽しかったし!」
のんきにそんなことを言って、にこりと笑った。
予定はくるったけど、楽しかったことは事実だ。
琉生のことも少しは知れたし。
不意に琉生が私の方を振り向いて、視線が交差した。
「え、あ、ちょっ……っん……」
手首を掴まれたと思ったら、次の瞬間には押し倒されていた。
神経が唇に集中する。
唇が……触れている。
触れているってもんじゃない。
激しく、奪われている。
でも、「やめて!」って叫べなかった。
だって、大粒の涙が私の頬に落ちてくる。
なんだか、胸が苦しくなって、琉生の思うがままにさせた。