ある帰り道、いつものように途中で凛とお別れする。


1人歩くこの道もだいぶ慣れたな。

今日は美智子さんがいないから、夕食を何しようかなと考えながら歩いていたら…



家の前でしゃがみ込む琉生の姿。



「どうしたの?」

「忘れた…」

「え?」

「鍵、忘れた…」

「えっと、じゃあ学校戻る?私、取ってこようか?」

「………」

「琉生?」



膝を折って、琉生の視線に合わせるとまっすぐ見つめ返してきた。



「家ん中に忘れた…」