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「バラしてないよな?」
「言わないよ。そんなこと」
「そっ!ならいいけど」
わざわざそのことを確認するために、小さな物置部屋に連れてきたのかコイツは!
「相沢くん、帰っていいかな?」
「ダメ!」
超笑顔でいい子風に言ってみたけど、通用しなかったようだ。
「ほいっ!」
積み重なったファイルを手渡され、ズドンと重みが掛かる。
「それ、つっちーに運んどいて!」
「なんで、私が!」
「俺が面倒だから」
はぁ~?
アンタに頼まれたんでしょうが!
「やだよ……相沢くん運べばいいじゃん」
小さな反抗心。
「あーそう」
あっ、帰っていいのかな、私!
ちょっとの希望が次の瞬間に見事にひっくり返された。