由佳は当然のこと、電話に出なかった。
しかし電話は何度も何度もかかって来た。

由佳は耐え切れなくなって、携帯の電源を切った。


ソファの上でうずくまりながら、由佳は色々なことを考えていた。

明日からどんな顔で学校に行こうか。
薫が由佳の色々な話を広めていたら面倒くさくなりそうだ。
何より、薫と合わせる顔がない。



結局次の日、由佳は学校に行かなかった。


学校には、体調が悪いから休むと嘘をついた。
だが本当の理由は、薫と会いたくなかったからだ。

今までどんなひどいいじめを受けていても由佳は学校を休んだことがなかったが、今回ばかりは何故か耐え切れなかった。
それほど由佳の中で、ケイという存在が大きかったのかもしれない。


何もする気になれず、リビングのソファで横になっていると玄関の鍵が開く音がした。