「怖がらないで、由佳。すぐに終わるよ。」


恭平はそう言うと、静かに扉の方向を見据えた。

何かを破壊するような音がすぐそこまで迫ってきているのが由佳にも分かった。


「さあ、戦いの始まりだ。」


恭平は面白そうにニヤリと笑って呟いた。


その瞬間、ドーンというものすごい音と共に、部屋の扉が勢いよく倒れた。


そこに息を切らしながら立っていた人物を目にして、由佳は目を見開いた。




「いらっしゃい、小野寺薫くん。」




恭平はニヤリと口角を上げてそう言った。


扉の向こうには全身に返り血を浴びた薫が、恭平をものすごい眼差しで睨みながら立っていた。