その時、部屋の扉がものすごい勢いで開いた。


そこには1人の男が背筋を伸ばして立っていた。
派手なオレンジ色の髪の、いかつい体つきの彼は、いかにも関わってはいけないタイプの男だ。


男は一瞬ベッドの上の2人を見て躊躇したが、1歩前に出て恭平に向かって一礼した。



「何?今良いとこなんだけど。」


恭平が不機嫌そうにそう言うと、男は焦ったように口を開いた。


「すみません…ですが恭平さん、大変です!あいつが現れました。下に居る奴が必死で応戦してますが、全く歯が立ちません!」


すると恭平はニヤリと口角を上げた。


「やっぱり来たか。」


その時、部屋の外でものすごい怒号と何かが壊れるような音が聞こえてきた。

その音は次第にこちらに近付いてくる。


「ヤス、報告ありがとう。応戦頼むよ。」

「はい!」


ヤスと呼ばれた男はかしこまってそう言うと、走って部屋を出ていく。