「あの女を使って由佳と小野寺薫の情報を仕入れた。あの女は気持ち良いぐらいにベラベラと話してくれたよ。もちろん悪気はなかったみたいだけどね。」
「……。」
「そして僕は結果的に、あの2人を由佳から引き離して、僕のそばに置くことに成功した。」
「……。」
「あそこでキスしたのもわざとだよ。あの2人が居ることを知ってて、見せつけるためにキスしたんだ。」
「……っ」
「バカなお友達だったね。僕のちょっとした手回しで、大事な友達を失うなんて。哀れな奴……」
パーン!
その時、由佳が恭平の言葉を遮り、思い切り恭平の頬を叩いた。
恭平は驚いた顔をして由佳を見る。
「それ以上華代と小野寺薫のことを悪く言ったら許さないから。」
由佳はそう言って恭平を睨み付けた。