由佳がそう言うと、恭平はフッと笑った。
「由佳、僕を狂わせたのは誰だと思ってるの。由佳だろ?」
「どうして?私から離れたのはそっちなのに。」
「僕は1度も由佳から離れちゃいない。離れたのはそっちだろ?」
「何言ってるの?とぼけるのも大概にしてよ。」
由佳はそう言って恭平を睨み付けた。
「由佳は何も分かってない。」
恭平はそう言うと、由佳の首筋に顔を埋めた。
ふわり、と懐かしい匂いが漂い、由佳の顔に恭平のサラサラとした金色の髪が触れる。
「ひゃっ…」
由佳は驚いて変な声をあげた。
「由佳、君は本当にバカだな。こんな状況で僕に逆らうなんて。」
恭平はそう言って口角をあげると、由佳のYシャツのボタンに手を伸ばした。
そして1つずつ、ボタンが外されていく。