「…そうだよね。バカバカしいよね。」

「人間は裏切る生き物だから。」


葵は虚ろな目をして呟いた。


由佳は何だか葵の意外な一面を見た気がした。
いつも無邪気で元気で悩みなど無さそうな彼も、自分と同じような考えを持っているのだと思うと、とても親近感が沸いた。


すると葵の表情はいつも通りの無邪気な笑顔に戻る。


「さ、行こう!スイーツ天国!」


由佳は彼のことがなんだか少し好きになった。
見た目が派手なのであまり関わりたくないタイプだと思っていたが、案外そうでもないようだった。


由佳と葵は暫く2人で歩いた。

その間も葵は由佳とたくさん話をしてくれたし、葵といると由佳はとても気が楽だった。
きっと似た者同士だと思ったからだろう。