「笠原さんって、最近すごく話しやすい雰囲気になったよね。」


隣を歩きながら、葵は口を開いた。


「そう?」

「うん。前は誰も寄せ付けないオーラ出してたけど、今はなんか違う。きっと小野寺くんたちのおかげだよね。」

「……そうかな。」


由佳は虚ろな目をして呟いた。


「最初小野寺くんが笠原さんと一緒に登校してきたときはびっくりしたなぁ。だって彼、めちゃくちゃ人気じゃん?」

「……。」

「男の俺から見てもかっこいいと思うし…それに勉強も運動もできるし。」

「……。」

「最近は木村さん?とも一緒にいるよね!あの人、派手なタイプじゃないけど意外とかわいいよなぁ。」

「杉崎くん…、その2人の話はもうやめようよ。」


由佳は小さく呟いた。