「分かったようなこと言うんじゃねぇよ。」

薫は唸る。
すると恭平は静かに尋ねた。


「君、銀髪のケイだろ?」


薫はその言葉に目を見開いた。


「お前……何でそれを知ってる。」

「さぁね?だけど君みたいな危険な存在の傍に由佳なんて置いておけないよ。僕は由佳のナイトだからね。」

「お前…それを知っててわざわざここに来たのか?木村に近付いたのも全部計算だったのか?」

「…だとしたら?」

「今さっき俺たちに見せつけたのも、全部わざとだったのか?」


すると恭平は静かに言った。


「…僕は由佳を守るためなら手段をいとわない。例え他人の心を踏みにじることになったとしてもね。」

「お前…っ」

「君のせいで、由佳が傷付いてもいいの?」

「……っ」

「自分がしていることが、由佳の身を危険にさらしてることに気付いたほうがいい。」

「……。」


薫は黙って俯いた。