その場に残されたのは薫と恭平の2人。
見知らぬ人がこの光景を見たら、ファッション雑誌のモデル2人が一緒に居るようにしか見えないだろう。
「てめぇ…何のつもりだ。」
薫は恭平を睨み付けながら、恭平に詰め寄る。
「君は由佳が好きなの?」
「てめぇには関係ねぇだろ。」
「僕が由佳の唇を奪ったことがそんなに気に入らないの?あの反応、おそらくファーストキスだっただろうね。」
恭平が笑いながらそう言うと、薫は恭平がもたれ掛かっている塀の壁を思い切り殴った。
薫の拳は、恭平の顔の横ギリギリに入った。
塀にはヒビが入り、薫の拳からは真っ赤な血が流れ落ちている。