由佳は心がズキンと痛んだ。
薫の言葉が最も過ぎて言い返せなかったことも理由だが、何より今までどんな時でも自分の味方で居てくれたはずの薫が、今日は自分の肩を持ってくれなかったことがショックだった。
由佳に向けられる薫の視線は冷たく、嫌悪感すら感じられた。
「ごめん…」
由佳はそう呟くしかなかった。
薫の言うことは最もだった。
薫の言う通り、華代に言い出せなかったのはきっと、まだどこかで恭平に対する特別な感情があったからだ。
それに気付かないふりをして、蓋をしたのは由佳だ。
本当は自分でも分かっていた。
由佳は黙ってその場を去る他はなかった。
由佳は華代のことを思った。
ついさっき、大好きだと言ってくれたあの笑顔が、由佳の頭に浮かんでは消えた。