「嘘…由佳ちゃん、ひどい…っ」


華代はそう言って、涙を流しながら走り去っていく。


「華代!待って!」


由佳のその言葉は、華代には届かない。


「小野寺薫!何でそんなこと言うの!?」


由佳は薫に怒りをぶつける。


「だって事実だろ?」


薫は鼻で笑った。


「お前、木村にそいつのこと話してなかったんだろ?やましい気持ちがあったから、話さなかったんじゃねーの?」

「そんなんじゃない!…今はもう関係がないから言う必要なんてないと思った。華代を傷付けるだけだから。」

「でも結果、木村に黙ってたせいでお前は木村を傷つけた。」

「……っ」

「自業自得だろ。」


薫は吐き捨てるようにそう言った。