「冷めてるよねー、瞳」
「そう?普通じゃない?」
「や、冷めてるよ」
お昼を食べながら、菜月と彩花に言われてしまい、私は眉をひそめる。
「だって、他にどうしたら」
「謝らせるとか」
「もう浮気しない約束させるとか」
「相手の気持ち次第ってこと?」
「・・・」
私の返事に、二人は黙り込んでしまう。
「?」
「冷めてる上に、捻くれてるのよね」
「見た目はいいのに」
「彩花、それ悪口だよね」
三人でため息をつく。
「で、こないだ別れたと思ったら、新しい彼氏か」
「彼氏?誰が」
「杉崎」
彩花視線で彼を示す。
一番後ろの席の、友達と笑いながら話す男子。
「なんでそうなるのよ」
「コクられたらしーじゃん」
う・・・耳の速い。
「つ、付き合ってないもん」
確かに、告白はされたけど。
付き合ってないもん。
「なぁんで付き合わないのよぉー」
菜月がつまらなそうに頬を膨らませる。
「杉崎いーじゃんかっこいいじゃん。爽やかイケメンって感じ」
「実は隠れファンがクラスにいっぱい」
「彩花、それマジ?」
煮物を口に入れながら頷く彩花に、菜月がヒートアップする。
「だってよ!!これ逃したら後悔するんじゃない!?」
「しないから」
私は冷静に菜月をなだめ、お弁当を片付けた。