あたしの名前は神崎奈々。
今年高校生になります。

あたしの家は経済状況がヤバくて携帯なんかもてなかった。
でもさすがに高校生になるのだからと親に頼みこんで買ってもらう事になった。

卒業式の日に買ってもらう事が決まり、卒業する事の寂しさや友達と離れる悲しみより、携帯を買ってもらえる喜びの方が実際大きかった。

卒業式も無事終わり、校舎の近くで写真を撮ったりしてる友達を横目にあたしは足早に家に帰った。
親は働いていて、まだ帰ってきていなかった。
ただただ暇だったあたしは携帯のチラシを見ていた。

ガチャという音と共に親が帰ってきた。
ご主人様を待っていた犬みたいにバタバタと玄関まで走った。
その後親とどの携帯にするか決めて、近くの携帯屋さんに行った。