アタシはお父さんを死に追い詰め、殺してしまってからは、ただ毎日淡々と笑いもせず泣きもせずに生きてきた。
あの事件の後すぐに母と二人暮しを始め、あのマンションを出た。
――そう、お父さんが飛び降り自殺をしたマンション。
そんなところにはとてもじゃないけど住む気にはなれなかった。
郊外のアパートに引越し、アタシは中学校の転校を余儀なくされた。
当然、新しい学校では友達は作らなかった。
…だってアタシは幸せになってはいけない人間だから。
お父さんを死に追い詰めてしまったような人間が生きていること事態が問題かもしれないけど、アタシは死んではいけないと思った。
お父さんが生きられなかった分、アタシが生き続けなくちゃならないんだ。
それはアタシにとっては苦しいことだった。
「お父さんを追い詰めて殺してしまった」…「人殺し」という重荷を背負って生きていくことは想像以上につらいことだった。
…何度も何度もお父さんの夢を見た。
そのたびに吐き気がしたり、眠れなくなったり、鬱になったこともあった。
悲しくて、苦しい…アタシの毎日だった。