それからアタシは一週間ほど学校を休んだ。
でも、一週間も休み続けていたら高校からお母さんに電話がかかってきた。
お母さんはアタシの事情を何も知らない。
だから、お母さんは無断で学校を休んだことについてアタシを叱ってから言った。
「でも、なんで学校行かなくなっちゃったの?…あ、彼氏とケンカしたのかな」
と、楽しそうに笑った。
だからアタシもとりあえず笑って済ませた。
でも、ホントはね、もっと難しい感情が絡んでいるの。
お母さんにはレイプに合ったこと話していないからわからなくって当然だよね。
でも、明日はお母さんが車で学校まで送ってくれるそうだから、電車には乗らなくって良いんだって思うと気が楽だった。
でも、学校に行けばたくさん男の子がいる…
まだ少し怖いけど、これ以上休むと単位もヤバイ。
明日はなるべく美和ちゃんと一緒にいよう…
 一週間、カズくんからのメールがない日は一日もなかった。
<何があったの?>
<オレのこと嫌い?>
<連絡ちょうだい>
そんなメールが毎日来た。
見るのが辛くって受信拒否も考えたけど、そこまでカズくんを嫌う理由もないし、そんなことする勇気もないからできない。
でも、明日学校に行ったらカズくんはアタシのクラスに飛んでくるだろう。
そうしたら、絶対話さなくちゃいけなくなる。
本当のことを話そうか…
でも、嫌われたくない…
でも、これ以上カズくんを避けるのは不可能だ…
アタシの頭の中ではグルグルと考えが巡る。
考え過ぎか、思い詰め過ぎか、アタシはその日吐き気に襲われ、吐いてばかりいた。