その日目が覚めたのは夕方だった。
夕日でオレンジに染まった部屋の中でアタシは起き上がった。
昨夜遅くまで美和ちゃんとお喋りしていたから寝不足で、アタシの睡眠に拍車をかけたようだった。
ケータイには何通ものメールと不在着信。
カズくんからのメールがほとんどで、一通だけ美和ちゃんからのものだった。
<美和に聞いたよ。
今日学校休むの?>
<風邪でもひいた?>
<大丈夫か?>
<心配だから返信ちょうだい!>
カズくんの気持ちが痛いほど伝わってくる。
でも、ごめんね。
今のアタシにはどうしても返信できないよ。
お願いだから、今はメール送らないで…
返信できない罪悪感でいっぱいになる。
美和ちゃんからは、今日の報告が届いていた。
<気分はどう?
文化祭は何ごともなく無事に終了したよ!
でも、今日一日和哉が弥生ちゃんのことを
すっごく心配していたよ;>
アタシは美和ちゃんのメールにだけ返信をしてケータイを置いた。
 もう五時前か…
アタシは不思議とお腹は空かない。
でも、お母さんが帰って来るまでにご飯作っておこうかな。
アタシはそう思って立ち上がり、キッチンを物色した。
でも、見事に何もない。
アタシはしぶしぶ買い物に出ることにした。
すぐ傍のコンビニで何か買って来よう。