「ゆうちゃ…」




「美遥…っ」




切なさそうに私の名前を呼ぶ声に、私はこれでもかという感じで更に涙を流した。



ああ…本当私たちは、何て不器用だったんだろう。




六年前に振った側と振られた側。



だけど、二人とも自分の想いを止めることはなかった。



彼女は相手を守る為に違う男と付き合い、彼は自分ではない男に取られたと思い、諦めかけた。





二人とも好きという二文字が言えなくて、幼馴染という関係を壊したくなくて、言えるのに六年という月日が流れた。




そんな二人は辺りが真っ暗になった海の中で抱き合っていた。