「ふっ…呆気なく捕まったか。
やはり、兄弟と言うのは使えるな」

飛行船の中でシラヌイが呟くと
飛行船の扉が開いた。

「シラヌイ様大変です!!
只今、ココノエ大佐が戻られたのですが
連れて来た神器の器が船外で暴走し
ココノエ大佐に攻撃をしています!!」

「なに…?」

・・・

(もうなにもわからない…)

首にSpellと枷、手には手錠を掛けられ、
亜鬼はセツナと共にシラヌイが待つ
飛行船へ向かって森の中を歩いていた。
脳裏に父の言った最後の言葉と
今までセツナと過ごしてきた日々が
思い出され度々、目を潤ませた。

『破妖刀がお前を守ってくれる。
だが破妖刀はお前が守るんだぞ。』

「父さ…ん…」

「甘えん坊盛りはいいけど
父さんは死んだの。もういないんだよ。
いつまで死人に構ってるのさ。」

度々、セツナに首の枷を引っ張られ
バランスを崩し転びそうになるのを
何度も耐え、森を抜ける細道を
只管歩いた。