天使の頃書いていた日記の最後…。

・・・

目を覚ますと傍らで心配そうに、
起きるのを待っていた
愛しい我が子が目に入った。
私は頭を撫でて微笑む。

「母さん具合悪いの?」

「いいえ。大丈夫よ。
貴方がお兄ちゃんになる夢をみていたら
起きるのが遅くなっちゃって…」

「僕お兄ちゃんになるの!?」

「こら!刹那!大声出すと
母さんが困るぞ…」

「私は大丈夫よ。」

神は私の背中を押してくれた。
人間として生きる事を許して下さった。
獣人として転成し、
今凄く幸せなのだけれど、
お腹も同じ位痛いです。


「アロウ。体は大丈夫なのか?」

「ええ。問題ないわ。
でもまさか二人目を授かるなんて…」

「ああ、お前が夢に見た通りだ。
また元気な子を産んでくれよ…」

貴方に微笑まれると
私の胸がズキズキと痛くなる。
隠してる事があるからかしら。

私は二人目を産むと同時に
死んでしまう…。

神が夢で教えてくれる事は本当になる。

“アロウ…我が弟が
お前の時を止めている…
それが解ければお前は死んでしまう…
お腹にいる子供が生まれると同時に
お前の時を壊す。”

あの人と出会ってから
私の歳は変わらないのは
孤独な神様の所為だって事を知っていた。

神はそれを許さない。
獣人の寿命は人間よりも早い。

この人と結婚して、刹那が生まれて、
今お腹にもう一人いる。
私はそれだけで幸せだった。