一方、セラを追いかけていたリキは、
今だセラと会えていなかった。

「セラ司教!どこっすか!!!」

深夜にも関わらず、
リキはセラの名前を大声で呼ぶ。
しかし返事は返ってこない。

「あらぁ?夜の鬼ごっこなんて
随分幼稚な事してるのねー」

「リイカ司教!」

「はぁい❤︎
あっ!アタシね、
セラの場所知ってるわよ。」

桃色の長髪を揺らし、
オネェ口調で話すリイカは、
リキの前を走ると、
教会の広間にやってきた。そこには、
罪を赦された筈の罪人達とセラがいた。

「なんで…だって…この人達は…」

リキの脳裏に、
罪を赦され第二の人生を歩む罪人達の
楽しそうな話が過った。

『子供が出来たんです!』
『俺!今度結婚するんです!』
『母さんと旅行行きました!』
神はただ罪を赦すのではない。
ちゃんと、罪人が罪を償って、
誰かが心からその罪人を赦すと
神に報告した時…罪が赦されるのだ。

「リキ!彼奴が黒幕だ!」

セラが上を指すと、
そこにはアヤメとソウカが立っていた。
そして、罪人達を見ると「罪は罰さないと赦されないんだよ?
甘いんだよ。いつだってここは!」と
罪人達にさらにSpellを打った。

「許さないっす…。覚悟はいいっすか?
コンサートは終わりっす。これからは
僕の裁きの時間っす。」

リキはそう言うと、
Spellを自分に向けて打った。