「秘密警察の警視総監を勤めている。
シラヌイだ。夜分遅くに教会を訪ねて
済まなかったな。少しアレイスト大司教に話があるんだが…通して貰えるか？」

セラは少し不満げに、
「わかった…。案内する。」と言うと
シラヌイをローザ教会の大司教、
アレイストの元へ案内する為、
庭園を離れた。

(くそっ…ハメられた…！)

セラがバツの悪そうな顔をすると
リキがニコニコ笑ってセラ達を止めた。

「アレイスト大司教に用事っすか？
それなら僕が案内するっすよ！
セラ司教は他に仕事があるんっすから
それでいいっすよね？
シラヌイ警視総監？」

「無論だ。」

シラヌイがそう言うと、
リキは少し警戒しながら歩き出し、
セラはSpellの発信源を再び辿り始めた。

「私が神の神器を奪いに来たと
思っているのか？」

「違うんっすか？
まぁ、あの子達を集めた所で、
神の器がいなければ
貴方の願いは叶わないっすよ？」

シラヌイは鼻で笑うと、
「未来を先に知ってしまうのは
つまらないだろう？それとも
未来を先に知る事で、受けるかもしれない
絶望を軽くしたいのか？」と言った。

そして、リキにトドメを指すかの様に、
「私はこの先の未来が楽しみだが、
お前かセラかアレイストか…
この短時間に誰かが死ぬと言ったら
さてお前はどうする？」と言った。
それを聞いたリキは目を見開くと、
「ここがアレイスト大司教の部屋っす！失礼するっす！」と
セラが纏う清輝を辿りあとを追った。