《我が主。愛しき器よ。
私が貴女を助けよう》

シラヌイのゼロットの横に
ココノエはゼロットを止めさせると
上機嫌で、リンリンのいる牢屋に向かった。
そして牢屋の扉を開けると、
中から鈴の音が聞こえてきた。

「罪深き人間に
私の音を聞かせてやろう。」

ココノエに向かって放たれた
音の混じったSpellを避けると、
隙を見た鈴王がゼロットの外へ出た。

「なっ!!!」

ココノエがSpellを打つと、
鈴王を音の波が守った。
そして鈴王が再び
音の混じったSpellを打つと、
ココノエは制御し切れず、
地面に倒された。

「力が出ない…!!その音の所為か!!
さっきはこんな力なかったのに…!」

「我の鈴は邪気を払う。
神の神器を甘く見るな。若僧が。」

鈴王はそういうと
辺りをグルリと見渡して
シラヌイのゼロットを見ると
何かを感じ取った。

「油断しないでよね!!!」

鈴王がゼロットに向かって歩くと
ココノエはSpellで道を塞ぎ
船内に入れないようにした。
厳重にSpellを組み、鈴王ですら
これではゼロットの内部に入れない。

「そこを通せ。」

「だめって言ったら…?」

「…」

鈴王とココノエは同時にSpellを組み、
互いの首に向けた。
動けばどちらかが死ぬ。
二等兵がざわつく中で
船内から様子を見ていた二等兵が、
慌ててシラヌイに報告しに行った。