「着くまでココで大人しくしてて。」

ココノエは乱暴に
リンリンを船内の牢に閉じ込めると
船内の中央にある椅子に寄りかかった。
ココノエがいなくなるのを見ると
リンリンは手を組んだ。

「町が気になる…
鈴王どうか町をお救い下さい!」

《なぜ…私に頼る…?
なぜ私の力を使おうとした…?
何の為に私の力は其方が使うのだ?》

初めて神器と心が通じた事を感じた
リンリンは、手を組んだまま
鈴王の問いに答えた。

「私は…母程の力はないし
弱いかもしれない。けれど、
母の様に貴方の力で邪気をなくし、
憂いている人々を救いたい!」

リンリンは鈴王に懇願すると涙を流し、
必死に人々の無事を祈った。
そして、暫く間が開いた後、
鈴王はリンリンの願いを聞いた。

《己の事を後回しに残された人々を考えるお前は我が器に相応しい。我が主よ。其方と町の者に私の加護を授けよう。》

鈴王がそう言うと、
リンリンは浅い眠りに落ちた。